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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第7章 クリソプレーズの囁き


堂々巡りの思考に疲れて、少し頭を冷やそうと部屋を出る。
廊下はシンと静まり返っていて、いつもは騒がしい屋敷もアレスを偲んでいるようだ。

ロッカがリビングに降りていくと、奥の台所から灯りが漏れている。
そっと覗くと、アメルが朝食の下ごしらえをしているところだった。

驚かさないように控え目に声を掛ける。

「…アメル」
「あ、ロッカ。どうしたの?」
「まだ起きてるのかい?無理したら駄目じゃないか」
「今夜の内に下ごしらえしておいた方が、明日の朝楽になるの。それに、何だか眠れないし……気がまぎれるから」

蒸かした芋を潰している妹に、ロッカは短く「そうか」とだけ答えた。

アメルは、明らかに沈んだ兄の様子に作業の手を止める。

「お水でも飲む?」
「……あぁ」
「ソファに座ってて。今持ってくから」

ロッカは言われた通りにリビングのソファに腰掛けた。座った途端に全体重を預けたくなるような心地よさに包まれる。
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