第6章 アイオライトの涙
信号を頼りに迎えに来れば、不自然に大地が揺れアレスは戦闘中だった。援護は不要のようだったが、アレスの様子がおかしかったので助太刀した。
「怪我ハナイカ」
「えぇ…平気よ…」
そう言ったものの、雨に混じる血の臭いにアレスはむせかえった。
「我慢スルナ」
ゼルフィルドの無骨な鋼の手が、アレスの背中を優しくさする。アレスは吐き気を堪えながらその腕にすがりついた。
「彼らは…死んでるの?」
先ほどまで動いていたのに、今は地に伏してピクリともしない。
アレスの問い掛けに、ゼルフィルドは淡々と答える。
「急所ヲ狙ッタ。即死ダ」
「…どうして殺したの」
確かにこいつらは私を犯そうとしてたけど、アナタの攻撃なら致命傷にならないように射撃できたでしょう?
ゼルフィルドの手にある銃を見つめながら、アレスは呟くように言った。