第2章 ターコイズの守護
人間の感情を読み取れるバルレルには、絶命する者達の無念や怨みが次々と耳に入ってくる。
そのあまりの数の多さに、もううんざりという表情を作って見せた。
そして、マグナに向かって一つ忠告をする。
「ヤツら、この村の連中を皆殺しにする気だ。ボケッとしてたら俺達もヤベーぞ」
ヤツら、とはこの地獄絵図の中蠢く黒い影。
放たれた火が木々に燃え移り、勢いはもはや人の手には負えない状況になってきた。
マグナは村の惨状に足を震わせながら、小さい声で叫んだ。
「アメルを助けにいかないと…!!」
「君は馬鹿か!!状況をよく見ろ!!」
弟弟子の言葉を聞いて、思わず怒号を発するネスティ。
その怒鳴り声に正気を取り戻したマグナは、震える足を押さえつけてネスティを睨み付けた。