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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第6章 アイオライトの涙


見送りに来てくれたのは、最もそれが似合わないバルレルだった。

「どうしたの?」

思わずアレスは尋ねてしまう。
彼は鉤状の尻尾をユラユラ揺らしながら、何故か不機嫌そうに口を尖らせて言った。

「アイツらの所に行くのかよ?」

アイツらと言うのは、黒の旅団の事だろう。
アレスは小さく頷いた。

「…やらなくちゃいけないことがあってね」

アレスの表情が固くなるのを、バルレルは見逃さなかった。
目を凝らすと、彼女の胸元の靄が昼間よりも面積を広めている。

「…アイツらの仲間に、悪魔はいるか?」

バルレルは、懸念をアレスに問う。

「悪魔の姿はなかったけど…」

小首を傾げて言うアレスの表情は、何か引っ掛かるものがあることを伝えていた。

「悪魔みたいな人間がいたわ」
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