第6章 アイオライトの涙
「ちょっとアレス!待ちなさいな!」
「そうだよ二人とも!冷静に話し合おうよ!!」
ケイナとマグナが仲裁に入ろうとするが、それをネスティが制止した。
「これ以上何を話し合う?彼女は黒の旅団と繋がっている。敵の間者ということだろう」
「別にスパイ行為をするわけじゃ…」
「疑惑のある者が仲間内に居てみろ。いつかはトラブルの火種になる。今だってそうだ」
ネスティの的を射た言葉に、誰も反論することが出来ずに黙り込む。
自分の安易な行動が招いた騒ぎに、アレスは本心から申し訳なさを感じて詫びた。
立ち上がったアレスに、アメルは涙ながらに話しかける。
「…本当に出て行っちゃうんですか?」
「早くしないと天気が悪くなりそうだし…」
アレスは震えそうになる声を必死に抑えた。