第6章 アイオライトの涙
アメルは深く謝罪するアレスの姿に、彼女は基本的にどんな人間に対しても優しいのだろうなと思った。
でなければ、自分を殺そうとした相手に同情なんて出来るわけない。
彼女のその優しさは時に不利益を被るかも知れないけど、素直に羨ましいなと思う。
だから、自分はアレスを責めない…と言おうとした矢先に、ロッカが勢い良く立ち上がったものだから驚きに口を閉ざしてしまった。
「貴女は、黒騎士たちの仲間なんですか?」
「仲間というわけでは…」
「信じられるものか!!」
普段物静かなロッカの、平静を欠いた様子にアメル達は驚く。
「信じてとは、言えないのが辛いところね…」
「当たり前だ!!」
アレスの言葉の全てが彼を逆撫でするように、ロッカは怒りに任せてまくし立てる。