第6章 アイオライトの涙
「翌日、兵士からロッカとリューグがゼラムに到着したと聞いたの。イオスの部隊が潜伏先の偵察に行くと言うから、同行して…」
「そこで偶然あたし達と出くわしちゃったワケね」
ミモザの理解力に、アレスは苦笑した。
「本当は捕虜としての立場上、アメルの安全を確認したらまた旅団に帰るつもりだったんだけど、裏口から出てきたアメルの表情があまりにも悲痛で…」
放っておけなかったのよ。
ギブソンは納得したように頷きながら、核心を突いた。
「君は何故嘘を吐いたんだ?」
この屋敷に招かれて、リューグやロッカよりも身綺麗だったことに不信感を持たれた。
「余計な事を言って混乱させたくなかったし、嫌われたくなかったから咄嗟に誤魔化してしまった…ごめんなさい」
頭を下げて謝罪した。