第6章 アイオライトの涙
「了解シタ」
イオスの怒りと絶望を孕んだ絶叫に、ゼルフィルドは忠実に行動した。
照準を向けられた仲間たちは絶句し、迫り来る銃弾に身を固くするしかない。
(申し訳ございません、ルヴァイド様…)
後悔の念で最後を迎えようとするイオスの耳を、大声がつんざいた。
「シールド!!」
―――ガガガガッ!!
「な…アレス!?」
イオスの目には、杖を高々と掲げて何かしらの術を発動したアレスの背中が飛び込む。
アレスは手にしたダイアモンドの石を膨張させて、イオスと仲間を守るようにバリアを発動したのだった。
最高硬度の石の盾によって、銃弾は全て跳弾した。
湿地の生暖かい風が、アレスとゼルフィルドの睨み合いに吹き込む。
誰もが言葉を発せない中、ロッカがぽつりと呟いた。