第6章 アイオライトの涙
バルレルの奇襲に、イオスの手から槍が離れた。
「今だフォルテ!」
マグナの掛け声と同時にフォルテが動いた。
イオスの腕を捻り上げ、地面に押し倒す。
「く…っ!!」
突然の事態にイオスがもがいた。
その細身のどこに力があると言うのか、封じ込められまいと足掻く姿に、リューグが加勢に加わる。
「大人しくしてくれ。俺たちは君を殺すつもりなんてない」
「…逆にタチが悪いな」
憎々しいと、イオスがマグナに悪態をつく。
その様子にアレスはおや、と思った。
身動き一つ取れない彼の、その顔つきは未だ戦闘を諦めていない。勝機はないはずだが…
冷静にイオスを観察するアレスだったが、動きを封じたはずの機械兵士の気配に咄嗟に駆け出した。
「ゼルフィルド!!僕ごとこいつらを撃ち殺せぇ!!」