第6章 アイオライトの涙
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数や戦闘の熟練度は相手に負けるとは言え、こちらには召喚師が4人もいる上に傷を癒す聖女もいる。
次第に黒鎧の兵士を圧し始めたマグナ達。
アレスは時折召喚術を発動しながら、敵の動きを牽制していた。
視線は、ターゲットであるイオスから外さない。
その彼の顔に焦りと疲労の色が見てとれた事に、そろそろかと緊張感がみなぎる。
「馬鹿な…この連中、前より確実に強くなっている…」
「お前達の御蔭だよ。度胸だけは付いたんだ」
マグナが堂々と胸を張る姿に、イオスは奥歯を噛み締めた。
ふと背後に感じた気配に、槍を力一杯振り切る。
彼のその動きを予測していたかのように、間を開けて攻撃を繰り出してきたのはバルレル。
同じ槍を扱う者同士、完全に間合いを読んで槍を払った。