第5章 ラリマーの調和
「威嚇トハ言エ回避スルカ、ナカナカ良イ反応ダ」
「お前は…!」
敵の出現に仲間たちが色めき立った。
ゼルフィルドの背後から槍を手に現れたのはイオス。
彼はアメルを庇って銃弾を回避したマグナを一瞥すると、ぐるりと他の面々に視線を這わした。
イオスの紫紺の瞳と、アレスの瞳がほんの少しだけ交わる。
(今からイオスを捕まえます、って言ったら怒るわよねぇ?)
アレスは胸中で苦笑をした。
「このまま王都に立て込まれ厄介だったんだがね。そちらから出てきてくれるとは、助かったよ」
「…ほざけっ!!」
「そうだな、こうでなくちゃわざわざ遠出してきた意味がねぇよな」
リューグとフォルテの言葉に、マグナの眉頭が寄った。
「どういうこと?」
「手詰まりだったのはお互い様と言うことよ」