第5章 ラリマーの調和
ちょっとしたトラブルでワイバーン族と契約したサモナイト石のペンダントを落としてしまい、ミニスは毎日ゼラムの街中を探し回っているそうだ。
ペリドットの様に明るい緑色をしたペンダントを―…
「…アレス?」
何かを思い出したように立ち上がったアレスを、ミニスは不思議そうに見つめた。
アレスはペリドットの気配を探る。その目付きは鋭い。
(やっぱり現れたわね)
感知したのはルヴァイドに渡した石の波長。
会いたかったような、そうでないような感覚に胸が締め付けられる。
「ミニス、アメルの所に戻ろう」
「…もしかして、やつらが!?」
感の良い子だなと、アレスは頷いた。
しかし次の瞬間、響いた銃声とアメルの悲鳴に目を見開く。
湿地の茂みから、黒い装甲の機械兵士が姿を現した。