第5章 ラリマーの調和
ケイナの説明で納得した様子のマグナと、それに反感を買ったイオス。
「…策に嵌めたつもりか?小賢しい…」
イオスの瞳が、殺気を放つ。
ネスティはマグナに小声で囁いた。
「あのイオスという男を逃がすんじゃないぞ。あいつは情報を持ってるに違いないからな」
「分かった」
マグナは頷いて剣を握り締める。
アレスは敵の兵士がぞろぞろと現れた様子に嘆息し、アメルとミニスを庇うように立った。
「私の傍から離れちゃダメよ」
緊迫した空気に震える二人に、戦闘に慣れていない者なら当たり前の反応だな、とアレスは不憫に思う。
そして、ルヴァイドの位置を把握するように神経を尖らせる。
(成るように成れ)
アレスは心の中で呟くと、杖を構えて戦況を見守った。
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