第5章 ラリマーの調和
「どうしたの?」
アレスが木陰を分かつようにスペースを空ければ、ミニスはにこやかな表情でその隣に腰を下ろした。
「綺麗な石、見せて!」
ミニスは、アレスが鉱物を専門に扱う人間だと知っている。
総じて女性は光り物が好きで、それはミニスも例外ではなく、アレスの持つ珍しい鉱石の数々にとても興味を持っていた。
アレスは手荷物の中から、小さな鉱石の入ったケースを取り出す。
「これが最近収集した物よ」
「わぁ綺麗!」
ケースの中には、小さいけれど色とりどりの鉱物が納められていた。
まるで子供好きするドロップのようで、ミニスの目にはとても魅力的に映る。
「これ、シルヴァーナの色に似てる…」
シルヴァーナとは、ミニスが大事にしている召喚獣である。