第5章 ラリマーの調和
アレスの言葉に、リューグの顔が見る見る赤くなっていった。
「…そう言うこと言ってて、恥ずかしくねぇの?」
「変なこと言ったかしら?」
「もうテメェ、女連中んとこ行けよ!」
まるで分かっていないアレスに舌打ちをしたリューグは、赤面する顔を隠すようにそっぽを向いた。
しかしその耳は熱を隠せていなかった。
「ちっ、アイツと居るとどうもペースが乱されるな…」
足早にアメル達のところに向かったアレスの背中を見つめて、リューグは気を引き締めるように深呼吸をしたのだった。
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ミモザが言うピクニックの目的地は、ゼラムからほど遠くない位置にあるフロト湿原だった。
到着したのは昼前で、まずはアメルの手作り弁当でお腹を満たした後、それぞれ自由行動ということになった。