第5章 ラリマーの調和
他人の事ばかり気にして誰にでも優しいアレス。彼女の優しさと強さに、仲間たちは素直に甘えている。
だが、アレスはそれが重荷ではないのだろうか?
アレスが時々疲れた表情をすることを、リューグは知っていた。
今だって、深刻そうな顔して何やら考え込んでいて。
他人の心配をするより先に、自分の心配をしたらどうだと言ってやりたかった。
「アメルの事にしても、兄貴の事にしても、お前が一人で背負う事ないんだからな」
二人は愛情に飢えているから、必要以上にアレスに甘えたがる。
「気遣ってくれてありがとう」
アレスはふわりと微笑んだ。
「でも、私はリューグにも甘えられてみたいなぁ?」
「はあっ!?」
「リューグが私を頼ってくれたら嬉しいよ」
もっと君の心に触れてみたい。