第5章 ラリマーの調和
豪快に笑うフォルテにつられるように、ネスティも小さく笑った。
対するアレスは、歩調を緩めて彼らから距離を取る。
(そっか…皆それなりに考えてるんだ)
彼らは敵の正体を知らない。
このままぜラムに篭って居ても埒が明かないと、今日の行動に出たのだ。
(イオスを捕まえて…ルヴァイドは?)
イオス一人ならともかく、あのルヴァイドの捕獲には難儀するだろう。それにゼルフィルドという機械兵士の存在も邪魔だ。
仮にイオスを捕まえられたとして、残されたルヴァイドはどうなる。きっと背水の陣で攻めてくるに違いない。
本気を出した彼に勝てるほどの強さが、私達には力が…
「ない…」
「何が無いんだ?」
「きゃ!?」
独り言に返事を返され驚いたアレスが顔を上げれば、目の前にはリューグがいた。