第5章 ラリマーの調和
断言するネスティ。
アレスは二人の後ろを歩いている為、嫌でも二人の憶測が耳をつく。
「街の外までのこのこ出ていく僕達を、あいつらが見逃すとは思えない」
「確かイオスって槍使いが居たな。アイツをふん縛って情報を吐かせるか」
随分と懐かしく思える名前が聞こえて、アレスは思わず会話に参加した。
「ねぇ、イオスって?」
「アレスは知らねぇよな。ギブソンの旦那と俺達が迎え打った、敵さんの隊長だよ」
「確かに一般兵を捕獲するよりも、隊長クラスの方が優位性のある情報が引き出せるかも知れない」
「あのネーチャン、最初からそれが目的だったりしてな」
ミモザの腹の内は分からないが、ネスティは今回のピクニックに目的を見出だして口元を引き締めた。
「ま、それまでは俺らも楽しもうぜ」