第5章 ラリマーの調和
視線の先には、早速歩き出したミモザの後に続くケイナとアメルの姿があった。
「息抜きさせてやんないと、可哀想だからな」
慣れない逃亡生活は、女でなくとも辛いものである。
「…アレスもそうなのか?」
「えっ?」
話の矛先を向けられ、慌てるアレス。
「私は…そうねぇ、皆ともっと仲良くなりたいからピクニックに行きたいわ」
「裏切り者め」
本心を言っただけなのに、ネスティの反感を買ってしまったようだ。
それよりも、裏切り者と言われ、確かに隠し事をしているアレスはその言葉に酷く焦った。
「で、でも、そんなに心配しなくても、ミモザさんは『無色の派閥の乱』に参戦した召喚師なんでしょ?」
彼女はああ見えて立派な召喚師なんだから、頼りにして良いと思う…とアレスは付け加える。