第5章 ラリマーの調和
「…そうですね」
頷くアメルは、泣いていた。
アレスはこんな話を振ってしまって申し訳無いと詫び、気まずさから口をつぐんでしまう。
台所にはもう一時、二人の調理の音だけが響いていた。
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太陽が高度を上げ、仲間たちがそれぞれに活動を始めようとした矢先のこと。
「みんな、装備を整えて玄関に集合!」
…というミモザの号令で、各々荷物や武器を手に玄関先に集まっていた。
「ミモザ先輩、何を始める気だろう?」
「さぁな…あまり良い予感はしないが」
派閥の先輩として、多少の無茶をかましてくるミモザを知っているだけに、マグナとネスティはあまり乗り気ではない。
「…ったく、こんな暇があるんだったら鍛練してた方がマシだったぜ」
リューグは舌打ちを隠さない。