第5章 ラリマーの調和
「でも、こうやって武器を持たせてるってことは、ミモザさんに何か考えがあるのよ」
弓を手にしたケイナが、穏やかにリューグをたしなめた。
「フォルテの装備はそれだけ?」
「おう。…お前さんはもうちっと軽くした方が良いんじゃないのか?」
アレスが見たフォルテは、軽装の防具と剣だけ。対するアレスは、杖を片手に、大きなリュックを背負うその姿はまるで登山家である。
「しょうがないじゃない、鉱物鑑定士として必要な七つ道具が入ってるんだから」
「ほー。それって何なんだ?」
「企業秘密です」
興味深そうにリュックの隙間から中身を覗こうとした彼を、軽くあしらってバルレルの元に行く。
「ちゃんとシャワー浴びたのね。でも髪がまだ濡れてるわよ」
「うっせーよ下僕のクセに」