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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第5章 ラリマーの調和


野菜室から食材を取り出し、手早く包丁で切り始める。
その手際の良さに、本当に料理が好きなんだとアメルは感心した。
そしてふと、あることを思い出した。

「ねぇアレスさん…?」
「なに?」

トントンとリズムを乱さずアレスは返事をする。

「どうしてあたしが、あの黒い鎧の人達にその…捕まりに行こうとしてたことが分かったんですか?」

アレスさんも、癒しの力はなくても、人の心を覗けるんですか?

「え、なに、アメルは他人の心が読めるの?」

アレスは初耳だったため、思わず手を止めて聞き返した。

「読めるというか、癒しの力を使うとその人の心の中まで見えてしまって…不可抗力です」
「精神的な傷を癒すことによって、肉体までも癒してしまうということかしら」

心底不思議な力である。
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