第1章 カルセドニーの導き
「当然だな。未誓約のサモナイト石は、主に特別な儀式に使われる。君のような新米召喚師がおいそれと目にする代物ではないということだ」
ネスティの話に、今度はフォルテが言葉を重ねた。
「そのサモナイト石は貴重だからな。派閥じゃなくて聖王家直轄で管理するぐらい、大切な品ってことだ」
特にユメノ一門が生成したサモナイト石は価値が高いらしい。
「フォルテさんはお詳しいんですね」
「そういうどーでも良いことばかり知ってるのよね」
感心するアレスに反して、ケイナは若干呆れ顔である。フォルテは苦笑した。
「ネスティさんのおっしゃる通り、私は鉱物鑑定士です」
今回レルム村に立ち寄ったのは、石の生成に必要な鉱物が採取できるかの調査の為なんです。
アレスは簡潔に言った。