第5章 ラリマーの調和
狙われているのにピクニックとはこれいかに?…と如実に物語っている表情がおかしくて、アメルは笑みを深くした。
「ネスティさんがですね、この生活でパンク寸前らしくって」
「あ~…あの人集団生活苦手そうだものね」
「ミニスちゃんの歓迎会も兼ねて、皆で息抜きに行きましょうというミモザさんの発案です」
ふーん、と話に相槌を打つアレス。
あのミモザさんの発言なら逆らえないなと、ピクニックを納得した。
「…にしても、人数分のお弁当を用意するのは大変そうね」
「男性陣はよく食べますから」
大変というよりも、むしろ嬉しいといった表情で笑うアメルに、つくづくこの子は家庭向きだなと思う。
聖女の力さえ目覚めなければ、普通の村娘として、普通の結婚もできたろうに。