第5章 ラリマーの調和
そんな彼だからこそ、回りに自然と仲間があつまるのだろう。
マグナの純真無垢な優しさは、もしかしたらルヴァイド達をも受け入れてくれるかも知れない。
(とりあえず、ルヴァイドとイオスをこちらに取り込めるか…やるだけやってみよう)
確執はあるだろうが、取り込めたらやり込める自信が自分にはある。
(バルレル君が尻拭いしてくれるって言ったし、何とかなるでしょ)
アレスは空き瓶を抱えてテラスから出ると、屋敷の台所に向かう。
しかし、階段を一歩降りたとき、ふと気付いた。
「バルレル君、内緒にしておいてくれるかしら…!?」
思い返せば彼に口止めをしていなかった事実に、アレスの顔が蒼くなる。
秘密を共有できる仲間ではあるが、いかんせん悪魔なので秘密裏に出来るか不安だ。