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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第5章 ラリマーの調和


しかしアレスは引き下がらなかった。

「誰も傷付けたくない…でもどうすれば良いか、分からないの…」

国を相手にするには、私では圧倒的に力不足だ。

「…悪魔を頼るって事はどういう事か、分かってんだろうな?」

バルレルの声が、一つ低くなる。
アレスはごくりと唾を飲み込んだ。

「取引、って事でしょう?」
「話が早いな」

バルレルはニヤリと口角を上げ、不安げなアレスの瞳を見据えて言った。

「竜殺しが手に入ったら、俺に寄越しな」

その言葉にアレスの思考が一旦停止する。
はて竜殺しとは…ちらりと横目で転がる酒瓶を見れば、茶色の一升瓶に[竜殺し]と金色の字が刻印されていた。

「あの…バルレル君?」
「様をつけろよ、様を」
「…バルレル様は竜殺しが好きなの…?」

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