第5章 ラリマーの調和
新たに加わった小さな召喚師、ミニスにしてもそうだ。
出来るなら黒の旅団と接触させたくない。
しかしこちらがそう思っていても、ルヴァイド達はアメルを狙うし、マグナ達はアメルを守ろうと結束する。
アレスは正直、どう立ち回っていけば良いのか思い悩んでいた。
「外の空気でも吸おう…」
堂々巡りの思案に疲れたため息を吐き、寝巻きから着替えて身なりを整えると、アレスはギブソン邸の3階テラスに向かう。
そこから見えるゼラムの街並みと運河の景色が、アレスはひそかに好きだった。
寝てる者達を起こさないように足音を忍ばせ、そっとテラスの扉を開ける。
朝日がアレスの身体を包み、ひんやりとした空気が彼女の頬と髪を撫でた。
「今日も良い天気ね」
独り言を言いながら腕を天に伸ばす。