第5章 ラリマーの調和
父親の汚名を背負わされてきたルヴァイドは、筆舌に尽くしがたい半生を送ってきたに違いない。
だからこそ、反逆者一族の汚名を晴らそうと任務に躍起になる。
意にそぐわない任務でも、感情を圧し殺して剣を振るう。その姿は、元老院議会のマリオネットだ。
口が避けても言えないが。
「ただ僕が言いたいのは、貴方は貴方のままでいて欲しいということです」
罪業という鎖に縛られて、墜ちるだけ堕ちていこうとする貴方は見たくない。
その鉄仮面に隠した苦悩を、忘れさせてあげたい。
悲しいけど、僕では貴方の役に立つことは出来ないから――…
「アレスならきっと、ルヴァイド様を救えると思うんです」
貴方に人間味を取り戻させた彼女。
「貴方にはアレスが必要だ」
貴方に癒しをくれる稀有な存在。