第5章 ラリマーの調和
「アレスの件に関しては、お前に責任はないだろう」
事情を知らない部下から荷物一式を回収し、勝手にイオス部隊の先を行ったアレス。
彼女の動向に気づけなかった自分も自分だ。
そしてアレスの事、無理矢理イオスの後をつけていったは良いものの、聖女一行に顔を見られて帰って来れなくなったのだろう。
最初から合流する気だったのかもしれないが。
「どちらにしても、アレスはここに居ない方が安全だ」
「…確かに、あの召喚師が出入りする旅団の中にあっては、彼女は無用心過ぎますね…」
ルヴァイドは沈黙しているが、同意見であるからこそ黙している事をイオスは理解している。
「アレスが奴等と行動を共にする以上、彼女との戦闘も予想されますがどうしますか」
ルヴァイドは腕を組み思案する。