第4章 アマゾナイトの希望
しかし、そこで素直に言うことを聞いてロッカを揺すり起こそうとするリューグの姿に、アレスは慌てて顔を背けた。
笑ってしまえば、リューグのへそを曲げてしまうことになる。
(無言だけど、リューグなりの優しさなのね…)
笑いを堪えるアレスの耳に、ロッカの寝惚けた声が聞こえた。
「ん…リューグか…」
「飯」
「…食べたくない…」
「食えよ」
相当眠いのか、枕に顔を擦り付けているロッカにアレスは言った。
「ロッカー?枕に涎つけないでね」
「!?」
冗談で言った台詞だったが、ロッカは一瞬で現状を把握したようで勢いよく起き上がった。
「いだっ!!」
「…っ、ボケッとすんなよ兄貴!!」
そのままの勢いで、兄弟の額がぶつかり合い悶絶している姿には、流石のアレスも笑いを堪えきれない。