第4章 アマゾナイトの希望
「…ご忠告どーも」
リューグはぶっきらぼうに言った。そんな態度でも、少しは聞き入れてくれたように感じてアレスは嬉しく思う。
「じゃあ話はこれくらいにして、ご飯食べに行きましょう!」
差し出された手のひらに一瞬戸惑いの表情を見せたリューグだったが、そっと握り返す。
そして内心自嘲した。
(様ねぇな)
不審な合流を果たしたアレスに疑心を持っていたのに、やり込められてしまった。
こいつと話すと、牙を抜かれるというのか毒気を抜かれるというのか。とにかくペースが乱される。
「ロッカの分のご飯も、取っておいてあげないとね」
「起こせば良いだろ」
「じゃあ、優しく起こしてあげたら?リューグが」
言われてたじろぐ弟に、兄弟とはそんなものなのだろうかとアレスは不思議に思った。