第4章 アマゾナイトの希望
「今までは当然のように一緒に居たと思う。でも、二人ともいずれはお嫁さんをもらって、子供ができて、家庭を持つでしょ」
独立した人間になる日がくる。
いつかは離れるんだから、仲良くしておくに越したことないと思うけど。
「…考えたことも無かったな」
リューグは頭を掻いた。
彼が言ったのはもちろん結婚の事だが、アレスは勘違いしたようでにこやかに笑う。
「いつまでもお兄ちゃんと一緒と思ってたなんて、可愛い~」
「はぁ」
もはや反論する気も起きないリューグは、アレスの笑顔につい自分の口元も緩んでしまったことを自覚する。
「だからね、喧嘩しないで」
ロッカもリューグも、今は心身共に疲れてるから、普段と変わらないつもりでも深く相手を傷付ける事になりかねない。