第4章 アマゾナイトの希望
「双子って大変ねぇ」
アレスは少し呆れつつも、リューグに同情してやった。
しかし彼を椅子に座らせ、自分もベッドに腰掛けると優しく言い聞かせる。
「でもね、リューグ。ロッカはリューグじゃないのよ」
確かに最初は、お母さんのお腹の中で1つだった。
ずっと一緒に育ってきたんだろうから、二人で一人の人間の様に錯覚してしまう時もあるかもしれない。
「リューグは情熱と闘争心を、ロッカは冷静と調和を、分かち合って生まれてきたんじゃないかしら」
だから反発しあう。
けれど、それはお互いが欠けている物だから惹かれ合う。
「だから今までずっと一緒に居たんでしょ」
「…不本意だがな」
素直じゃないリューグに、アレスは微笑ましさすら感じる。