第4章 アマゾナイトの希望
まさか貴方達の敵に思いを巡らせていたなどと言えないアレスは、若干の後ろめたさで乾いた笑いを溢す。
「ロッカは…疲れてるに決まってるわよね」
昨日あんな事があったんだもの。
「そうですね…昨日のことなんですよね…何だか随分前のことのようにも感じます」
ロッカは深いため息と共に肩を落とす。膝に体重を預けて前のめりに腰掛ける彼の横顔は、よくよく見れば隈が出来ていてくたびれていた。
「村が焼かれて、顔馴染みの人達が死んで、今まで自分が暮らしてきた平穏が夢だったんじゃないかとさえ思えます」
田舎で、自然以外なにもなくてつまらなくもあったけど、僕はそんな村のゆっくり過ぎる時間が好きでした。
「…でも、もう無くなってしまいました」
呆気ないものですね。