第4章 アマゾナイトの希望
単独でスパイ紛いの行動をするのは無謀だ。
ルヴァイドに探りを入れてもらうのも、立場的に無理だろう。父親が反逆者であるなら、その息子の彼も目をつけられているはずだ。
(…もしかしてルヴァイドの御父さん、デグレアの不穏な動きを察知してたんじゃないかしら…)
それが元老院の怒りに触れ、反逆者の汚名を着せられる事になったのではないか。
アレスはどんどんと思考の海に沈んでいく。
(やっぱり、アメル達についてデグレアの動向を探ろう)
どうせ彼らは接触してくる。
ルヴァイドには悪いが、アメルの為にも、そして彼自身の為にも戦おう。
(ルヴァイド達をこちらに取り込めたら、それが一番よね)
手足を縛ってでもデグレアから彼を引きずり離せれば。
(簡単にいくとは思えないけど)
彼は強い。