第4章 アマゾナイトの希望
当然のように言うミモザの言葉に、アレスは唖然とする。
マグナ達だけで8人居るというのに、まだ受け入れる部屋があるとは。
「部屋数が多すぎて、最初は迷子になるわよ」
ミモザに案内されてリビングを出ていくアレスの背中に、ケイナが愉快そうに笑っていた。
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基地を出てきたのが午前中、昼過ぎにアメル達と再び出会い、空き部屋に通されて一息吐いた時には空が夕焼けに色を染め替える頃だった。
(みんな…心配してるかな…)
窓辺に立ち尽くし、窓ガラスに額を預ける。ひんやりとした冷たさに目を閉じた。
(これからどうしよう)
結果的にルヴァイドの件は放り出し、イオスとの約束も破ってしまった。
立場的にアメルを守る事が正義だろう。しかし…。
(ルヴァイド…)
彼の瞳と同じ赤の空。