第4章 アマゾナイトの希望
「僕達でさえ無視していたアメルの気持ちを、アレスさんは考えてくれました。僕はそれだけでもこの人を信じて良いと思うんです」
「ロッカさん…」
アレスはロッカを見つめる。ロッカもアレスに微笑んだ。
その様子に眉を寄せるのは弟のリューグ。
(結構な入れ込み具合じゃねぇか)
普段日和見主義で、あまり自分を主張しない兄が、堅物眼鏡野郎に意見を押し通している。
あの女に恋心でも持ったか。
(足元を掬われなきゃ良いがな)
お人好しの兄が忘れている猜疑心を、自分がもってやらねばならない。
「…妙な動きしたら叩き斬るからな」
「えぇ、貴方やネスティさんのようにきちんと警戒心を持つ人も必要よね。私も心得ておくわ」
でも、常に気を張って疲れないようにしてね。