第4章 アマゾナイトの希望
嘘は吐きたくないと思っている。
しかしアメルを傷付けたくないし、ルヴァイドの立場も尊重したい。
自分が何も知らぬふりして緩衝材となれば、もしかしたら二つの衝突が収まるかもしれない。
そうこう言いつつも、ただ単に両者に嫌われたくがないための自己愛が吐かせる嘘かも知れないな。…と、アレスの面持ちが僅かに暗くなった。
そんな彼女の様子を見ていたマグナは、細くため息をついて、ネスティの冷めた視線からアレスを庇い立った。
「…ネスは疲れてるんだよ」
弟弟子の強い眼差しと低い声に、ネスティは何かを諦めたように首を振った。
「…確かに、少し神経質になってるかもな」
「ネスティさん、僕はアレスさんの事を信じても良いと思うんです」
ロッカがマグナの援護に加わった。