第4章 アマゾナイトの希望
だから偵察の標的達がそちらから接触してきた事に、イオスは好機を見出だしていた。
このまま敵を蹴散らし、聖女をルヴァイド様の元に連れ帰る事が出来れば。
大丈夫だ、手数が少ないとは言えこちらにはゼルフィルドが居る。やれるはずだ。
イオスは目の前に立ち塞がる男達を、キッと睨み付けて言う。
「単刀直入に言う。聖女を渡せ」
「渡せるものなら最初から匿ったりはしないよ」
ああ言えばこう言う優男。格好からして奴は召喚師だ。余裕が高い実力を滲ませているようにも思える。
「弓矢隊は召喚師を狙え。剣士は敵を引き付けろ。くれぐれも術中範囲に入るなよ」
「了解」
イオスの指示に兵士達が頷き、それぞれが戦闘体勢に入った。
(アレスはどこかで見てるのか?)
イオスはふと周囲を見渡した。