第4章 アマゾナイトの希望
彼女の案内で裏道を掻い潜って行けば、先程の劇場通り商店街に出た。
近づくほどに甘い砂糖の匂いが漂う店先に辿り着いて、唯一男子のロッカが小さく眉根を寄せたのをアレスは見逃さなかった。
「いらっしゃいませ~」
店の中に入れば、すぐさま店員が愛想のいい笑顔を向けてやって来た。目にも鮮やかなウエイトレスの制服を着こなす、明るい笑顔が印象的な女性。
彼女は店に入ってきた面子の一人を見て、驚きの表情を見せた。
「珍しいですねぇ!今日はミモザさんが来て、ギブソンさんの姿が見えないなんて」
「相方は接客応対で手が離せないのよ」
ミモザと呼ばれた眼鏡の女性は、苦笑まじりに話す。
「今日はこの子達に御馳走しようと思ってきたのよね。あ、ギブソンへのお土産は10個で良いわよ」