第4章 アマゾナイトの希望
あまりに儚い少女の様子に、アレスは胸中でルヴァイドとイオスに謝った。
(今この子を放っておくことはできない…ごめんね、ちょっと帰るのが遅くなるわ)
アレスは意を決すると、アメルの細い肩に手をおいて笑顔を見せてやる。
「改めまして、聖女様。アメルちゃんって呼んでも良いかしら?」
アメルは小さく頷く。
「じゃあ早速だけど、ここから離れましょう。きっと兵も二分して裏に回ってくるわ」
「大丈夫だよ、アメル。僕もついてるしアレスさんも一緒だ。リューグだってあれだけの召喚師達と行動を共にしているんだ。みんな大事には至らないよ」
だから逃げようと、優しく諭す兄にアメルは弱々しく頷いた。
「じゃあ行きましょうか。とびきり美味しいケーキのお店に案内してあげる」