第4章 アマゾナイトの希望
「今マグナ達が、兵士達を引き付けて戦ってるわ」
「私達はアメルちゃんとゼラムの街をお散歩に行くところなの。どう?アレスも一緒に行かない?」
貴女のこと、皆から聞いてるわ。後輩たちが逃げるのを手助けしてくれたんでしょう。
「お礼にケーキでもおごってあげる」
そう言って笑う眼鏡の女性。
仲間が攻撃を受け、且つ聖女を連れて逃げようというのに緊張感のない飄々とした態度。
アレスは、目の前の女性は只者ではないと理解する。
そして一人顔を青ざめさせている聖女に視線をやると、かち合った瞳に聖女の方が頬を強張らせた。
「あ…あの、アレスさんですよね…色々とありがとう…ございました…」
極度の緊張と、度重なる精神的ショックに、少女は今にも消え入りそうなまでに疲弊していた。