第4章 アマゾナイトの希望
「アレスさん!!」
名前を呼ばれてアレスの体に緊張が走る。
恐る恐る振り向けば、案の定聖女と数人の護衛が裏口から出てきたところだった。
「あ、どうもロッカさん」
名前を呼んで走り寄ってくる双子の青い方に、アレスは不自然にならないような笑みを貼り付けて手を振った。
「無事だったんですね!!」
「あ、危ないっ」
屋敷の裏手は坂道になっている為、ロッカに抱きつかれてアレスはよろけた。
「本当に良かった…」
ロッカはずっとアレスの事が気になっていた。
妹の事を気にかけてくれた優しい女性。村から逃げ延びる為に、自ら足止めになってくれたアレス。
彼女の勇気に甘え、彼女を見殺しにしたのではないかと自責の念にかられていた。
「嫌ですねぇ、そんな簡単には死にませんよ」