第4章 アマゾナイトの希望
意思に反し流されている状況下、自らの足で立っていたいとアレスは強く思った。
気付けば、イオス部隊の姿は見えない。住宅街に差し掛かり、集団行動は目立つとして離散したのか。
アレスが石の波長を追って歩みを進めると、ゼラムの高級住宅街の中、一際大きな屋敷が目の前に現れた。
「アメル達はここに居るのね…」
アレスが感嘆を漏らし見上げていると、屋敷の玄関先の方から金属音が聞こえてきた。
嫌な予感がアレスの脳を過ぎる。
今日は偵察だけではなかったのか。何故武器を交えているのか。
玄関先で戦闘をすれば、逃亡者は裏口から逃げ出してくるのがセオリーのはず。
まずい、この場から離れなければ彼らに見つかってしまう。
アレスが慌てて踵を返したその背に、耳に懐かしい声がかかった。