第4章 アマゾナイトの希望
「アレス、よろしく頼むぞ」
「…えぇ、分かったわ」
作戦の事を言っているのか、ルヴァイドの事を言っているのかアレスには不明だったが、とりあえずは頷いておいた。
「では予定通り作戦を決行する。総員、行動開始!」
イオスの号令に、アレスも兵士たちに混ざって眼下の聖王都を目指すのだった。
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聖王都の厳しい検問を潜り抜け、イオス部隊は先行し、アレスは付かず離れずの距離感を保ちながら移動していた。
アレスには聖女の手の内にあるセレスタイトの波長がわかるので、特別イオス部隊の動向を気にかけることもなかった。
「なんだかゼラムの街に帰ってきたのが久し振りな気がするわ」
賑やかな劇場通り商店街の喧騒に、アレスの気持ちも僅かに華やぐ。
「帰りに甘いものでも…」