第4章 アマゾナイトの希望
「さては僕達が聖女の偵察に出向くと知って、先回りをしてたんだな」
「えぇ。意外と早かったわね」
「ゼルフィルド!!お前、分かってたんじゃないのか!?」
アレスは元の服に着替えているとはいえ、イオスが渡した上着をそのまま来ていた。
上着には探知機が隠されたままのはずだ。
イオスの怒鳴り声に、ゼルフィルドは淡々と答える。
「我ハ知ッテイタ」
「なら言えよ!!」
「将ニハ報告済ミダ」
アレスは目を丸くした。
ゼルフィルドは無骨な手を顎にやって思案する素振りを見せる。その姿はまるで人間だ。
「アレハ相当オ怒リダッタ」
「…どうしよう、イオス?」
「僕に聞くな」
イオスは疲れを隠せずに項垂れた。そして、アレスに何かあったらルヴァイド様に怒られるのは僕だな…と内心涙ぐむ。