第3章 ペリドットの癒し
「…まぁ何はともあれ、ルヴァイドの機嫌が直って良かったわ」
「ちょっと待て。俺はまだお前の無謀な行動を許した訳ではないぞ」
もう二度とあのような危険な真似はするな。
あのレイムという男は得体が知れず、俺達ですら信用していないのだから。
「本当に…何者なのかしらね」
瞳を覗き込んできた、懐郷の情を浮かべたレイムの顔を思い出し、アレスは一人ごちる。
ルヴァイドはベッドに腰掛けると、何やら思案顔のアレスに問い掛けた。
「話は変わるが、アレスは聖女の姉なのか?」
「ん?それ嘘よ」
あっけらかんとアレスは言う。
「捕虜としての有意性があった方が、まだ安全かなと思ったから言ってみただけです」
なるほどな、とルヴァイドは納得した。
「では、我々の目的は今まで通りだ」