第17章 関係
私と彼は会うのは
私の仕事終わりだけだった
この距離はあれから変わる事がなかった
そうこの時まで
大倉「なぁ、明日は俺オフなん
どっか行かへん?」
私の仕事終わりの車に乗り込むと
彼はスマホを触りながら言ってきた
私は姿勢を直しながら
「明日ですか?」
私の返事を聞いて
彼はスマホから一瞬だけ目線を外して
私を見た
大倉「アカンの?」
「急で.....」
私は考えながら答えると
大倉「急に時間が空いたからさ」
彼は、更にスマホをいじりながら言った
「......」
私は彼を黙って見つめた
彼のその態度に少しイライラしたのだ
大倉「なん?」
「別に.....」
私が怒っていると感じられる言葉に
彼の顔つきが一瞬で変わる
大倉「なん?ちゃんと言ってや」
私は彼を睨む
彼は私の言葉を黙って待つ
こんな時は
何か言わないと後がうるさいのだ
彼は、ちゃんと理解しないと
我慢できないようで
しつこいぐらい聞いてくるのだ
だから私は
ため息をつくと口を開いた
「明日は、無理です」
大倉「えっ、マジで」
私の答えに焦ったのか
スマホを横に置いた
「はい、すいません....」
その様子を私は冷静に見つめながら
形だけの謝り方をした
大倉「なんかさぁ、怒ってるん?」
心配そうに彼は聞いてきた
「いえ、怒ってないですけど」
こうして話している間も
彼のスマホに着信の音が
何度も鳴り響いた