第16章 新たな道
彼は、少し照れたような顔だったが
嬉しそうに言った
大倉「なんか、いつもと違う....」
私は自分自身の態度に少し動揺していた
でも、悟られたくなかった
「いつもと同じです」
大倉「ちょっと優し....」
「!!!!!!!!!!!」
私は彼を睨む
その私の顔を見て笑いながら
大倉「やて、待ってる事をさぁ
労ってくれた事なかったし....」
「まぁ、そうですが....」
彼は突然、私に顔を覗き込んで
大倉「何かあったん?」
私はその言葉に何も言えなかった
大倉「って言うわけないか....」
彼は、残念そうに小さく笑った
「前に進もうかと思って....」
彼はその言葉に驚いた顔をした
そんな彼を見て私は
再度、気持ちを言葉にしてみた
「少しでもいいから、進もうかなぁって....」
私の頭に優しく手が伸びてくると
大倉「そっか....」
私は俯きながら、彼に撫でられていた
「はい....」
大倉「俺、めっちゃ応援するわ」
私は、小さく頷いた
それを彼は嬉しそうに見ていた
私は、まだ答えなどはなかった
幸せになっていいかも分からない
お姉さんの言ってくれた
彼が歩めなかった未来を私は歩もうと思った
悲しみも辛さもちゃんと受け止めながら
そう決めたのだ
その未来に、彼の笑顔があればと
少しだけ願って....