第1章 出会い
そんな彼に対して
少しため息をつくとその場を離れて
厨房に戻って行くと
一緒の時間に働いている同僚が
「ねぇ、あの人さぁ、大倉忠義だよね」
私に嬉しそうに言ってきた
私は
厨房からお客をもう一度見ると
彼は電話でまだ話していた
同僚が言うように
とても似ていると思った
「とても似てるね....」
それだけ言って
仕事に戻って中の掃除をしていると
しばらくしてレジの所から声がした
私が急いで行くと
彼がお会計としてもらおうと待っていた
「1320円になります....」
私はレジを打ち
彼に伝えると
大倉「先ほどは、すいませんでした」
静かな声で言いいながらお金を出した
「いいえ….
2000円をお預かりします....」
私は不愛想に答えながら
おつりとレシートを渡すと
大倉「ごちそうさまでした」
彼は静かに出て行ったのだ
これが
私と彼との最悪な出会いでした
普通ならこれで終わる出会いだが
運命という奇跡があるなら
ここで終わらなかったのだ
そう今ならそう思う
今なら.....
奇跡は誰にでも起こると
私と彼のラブストーリーは
始まったのだ